ウーパールーパー 飼育説明書

公式説明書動画

ウーパールーパー

ウーパールーパー（アホロートル）は、メキシコ原産の水生サンショウウオです。独特な外見と愛らしい表情で人気があり、飼育しやすい点から初心者にもおすすめのペットとなっています。

種類について

リューシスティック（Leucistic）

• 体色： 全体的に淡いピンク色や白っぽい体色で、体表に不規則な黒い斑点が散らばるパターンです。
• 目の色： 鮮やかな黒色の目が特徴。体色が明るいため、可愛い目が際立ちます。
• 特徴： 飼育されるウーパールーパーの中で最もポピュラーなタイプ。優しい印象の外見で、初心者にも人気があります。

アルビノ（Albino）

• 体色： メラニン色素がないため、全体がピンクやクリーム色または真っ白に近い色合いです。
• 目の色： 赤またはピンク色の目を持ち、体全体が明るいので目立ち方に差があります。視覚は黒目よりも視覚が狭い傾向。
• 特徴： 珍しい外見からコレクターの間でも人気が高いですが、紫外線に弱いため直射日光を避ける飼育がお勧めです。

ゴールデン（Golden）

• 体色： 金色やアンバー色の輝く体色が特徴で、光の加減で美しく輝く様子が見られます。色素の加減でラメが入る個体も。
• 目の色： 通常はアルビノに近く赤目や薄目の色合いです。視覚は黒目よりも視覚が狭い傾向。
• 特徴： 希少性が高く、その豪華な色合いから愛好家の間で特に人気があります。

ブラック（Black）

• 体色： 全体的に黒または非常に濃いダークグリーンの色調で、均一に暗い外見をしています。幼生期は薄いグレーの個体も徐々に濃くなっていきます。
• 目の色： 目も黒く全体の色調と統一された印象を与えます。
• 特徴： 黒を際立たせた外見が魅力。暗い色調は、他の品種にくらべ存在感を感じ人気があります。

マーブル（Marble）

• 体色： 体全体に大理石模様のような斑点やストライプが現れ、不規則な模様が特徴です。
• 目の色： 黒目を持つ場合が多く、個体ごとに変化があります。
• 特徴： 模様が個体ごとに異なり、成長に伴い変化することもあるため、玄人好みされ観察する楽しみがあります。ワイルド種に近いのもこの種の特徴です。

飼育環境について

【水槽と設備】

• 水槽サイズ：成長に合わせ、最低でも横60cm以上の広さを確保。幼生期は小型水槽でも飼えますが、成長するとより広いスペースが必要です。
• ろ過装置：水質を安定させるために、外部フィルターや内部フィルターの設置が推奨されます。
• 水温管理：ウーパールーパーは冷水性のため、理想的な水温は約16〜22℃。特に夏場は水温上昇に注意し、冷却装置やファンの導入も検討しましょう。
• 水質調整：pHは6.5〜8.0が適正。水道水の使用時は必ず塩素除去処理（カルキ抜き）を行い、定期的な水替え（目安として1〜2週間に1回）を実施してください。

【水槽内の環境】

• 底砂・敷材：細かい砂利や小石を使用する場合、誤飲防止のためサイズ選びに注意。流木や隠れ家を配置し、ストレスを軽減する環境作りを心がけましょう。
• 照明：ウーパールーパーは夜行性に近い生体ですが、昼夜のリズムを整えるため、薄めの照明を使用すると良いでしょう。

成長段階に応じた飼育方法

【幼生期（孵化〜数ヶ月）】

• 水質と温度の管理：成長初期は非常に繊細なため、水質の変化や急激な温度変化に特に注意。安定した環境を維持するため、頻繁な水質チェックと水替えを行います。
• 餌の与え方：初期はブラインシュリンプ（ミジンコなど微小な餌）や、細かく砕いた専用餌（和香のアクアウーパー）を与え、消化に優しいものを選びます。
• 健康チェック：定期的に体調や皮膚の状態、エラの色味などを観察し、異常が見られた場合はすぐに対処することが大切です。

【成長期（数ヶ月〜1年）】

• 水槽の拡大：成長に伴い体も大きくなるため、適宜広い水槽へ移し替えを検討。水槽内のレイアウトも見直し、十分な運動スペースを確保します。
• 食事のバリエーション：冷凍赤虫、ミミズ、専用餌（和香のアクアウーパー）など、タンパク質豊富な餌をバランスよく与えます。1日1回から2回、与える量は個体の体調や成長に合わせ調整してください。
• 隠れ家のすすめ：幼生は外部からの刺激に敏感なため、隠れ家や流木、葉などを設置して安心できる環境を作りましょう。

【成熟期（1年以上）】

• 十分な運動空間：成熟したウーパールーパーは活動が活発。水槽内に十分なスペースを確保し、ストレスなく動ける環境にしてあげてください。
• 餌の調整：個体差がありますが、餌の量や種類は人口餌・活餌など多様に取り入れ、栄養バランスを考慮します。時には栄養補助のため、ビタミン剤の使用も検討すると良いでしょう。
• 定期的なお世話：水槽内の清掃やろ過装置の点検、定期的な水替えを欠かさず、健康状態を長期間維持できるように管理します。

季節に応じた飼育ポイント

【春】

• 環境変化への対応：冬の寒さから徐々に水温が上がる時期。急激な温度上昇は避け、徐々に温度を上げることでウーパールーパーの体調管理を行います。
• 繁殖準備：春は繁殖期の前兆とも言われ、産卵環境の整備（隠れ家など）を行うとよいでしょう。

【夏】

• 水温管理の徹底：夏は特に水温が上がりやすいため、冷却装置、エアレーションを活用し、水温を約16〜22℃に保つ工夫が必要です。
• 栄養管理：活動量の変化に合わせ、餌の量や種類を様子見して、健康維持してあげてください。

【秋】

• 温度変化への適応：秋は水温が徐々に下がるため、ウーパールーパーが温度変化に適応できるよう、急激な冷却を避けながら調整します。
• 餌の調整：個体差がありますが、餌の量や種類は人口餌・活餌など多様に取り入れ、栄養バランスを考慮します。時には栄養補助のため、ビタミン剤の使用も検討すると良いでしょう。
• 定期的なお世話：水槽内の清掃やろ過装置の点検、定期的な水替えを欠かさず、健康状態を長期間維持できるように管理します。

【冬】

• 安定した水温維持：冬の寒さ対策として、水槽内の水温が急激に下がらないようヒーターなどで一定温度（約16〜22℃）を維持します。
• 餌の量調整：低温下では代謝が落ちるため、与える餌の量を減らし、消化器官への負担を軽減。必要に応じて、低温時用の餌やサプリメントの利用も検討してください。

餌やりの工夫

幼生期の餌やり

• 活餌が効果的：幼生期は特に本能的に動くものに反応するため、生きたブラインシュリンプやミジンコを使用すると、餌と認識しやすくなります。動いている餌は、ウーパールーパーの捕食行動を引き起こしやすいので、幼生の食欲を刺激します。
• 活餌の給餌について：生きた餌は水槽内で均等に泳ぐため、あまり広すぎない水槽環境が好ましく、また水流が強すぎると餌が散らばってしまうので、静かな環境で与えてあげてください。水深が浅ければエアレーションはなくても大丈夫です。

人工餌を使用する場合の工夫

• 餌の与え方：人工餌（和香のアクアウーパーなど）を与える際は、ウーパールーパーの視界にしっかり入るように、餌を直接水槽の目の前に落とす工夫が必要です。少量ずつ細かく与えることで、他の個体との競争も避けやすくなります。
• 給餌の工夫：餌が落ちる際に、ゆっくりと目の前に沈むように工夫する（例えば、餌を水面近くの静かなエリアに投入するなど）と、ウーパールーパーが認識しやすくなります。これにより、餌が動くものと同様の刺激を与えることができます。

複数飼育における注意点

ウーパールーパーの視覚と誤認行動
ウーパールーパーの飼育において、複数飼育時の誤認による仲間をかじりつく行動は、視覚の弱さに起因する本能的な反応です。個体のサイズ管理、十分な餌の供給、環境の工夫、そして日々の観察による早期対応が大切です。ウーパールーパー同士が安全かつ快適に共存できる飼育環境を整えてあげてください。

• 視覚の特性：ウーパールーパーは視力があまり良くないため、動いているものを本能的に餌と判断しやすい傾向があります。
• 誤認行動の原因：餌が動くと反射的に捕食行動を起こすため、同居している仲間のしっぽや手足など、動く部分を餌と勘違いしてかじってしまう可能性があります。
• 個体のサイズと性格の管理：同じ成長段階や体格の個体同士で飼育することで、攻撃行動や誤認のリスクを低減できます。大型個体と幼小個体を一緒に飼育する場合、幼小個体が餌と誤認されやすいため、別々に管理することが望ましいです。
• 十分な餌の供給：餌が不足すると、空腹から仲間に対する捕食行動が促進されることがあります。定期的かつ十分な量の餌を与え、誤認行動が起こる前に空腹感を解消しましょう。
• 環境の工夫：水槽内に十分な隠れ家や障害物を設置し、個体同士が直接ぶつかり合わないようなレイアウトにすることが効果的です。隠れ場所があることで、ストレスが軽減され、互いに距離を取ることができるため、かじり行動が起こりにくくなります。
• 日々の観察と早期対応：日常的に個体の様子を観察し、仲間同士のトラブルの兆候があればすぐに環境改善や個別の隔離を検討してください。かじられた場合は、メチレンブルーなどの薬剤で薬浴を行い、感染症の発生を防ぐよう努めましょう。

再生能力の限界と注意点
幼生期など小さなうちは再生能力が高い傾向にあります。ただし再生は必ずしも完全さいせいするものではなく、傷の大きさや位置、個体の健康状態によっては再生が遅れたり、形状が変化する場合があります。傷が深い場合や、感染症のリスクが高まる場合は、再生が妨げられることもあるため、十分なケアが必要です。

• 環境管理：再生を促進するためには、水槽内の水質を清潔に保ち、傷口の感染リスクを減少させることが重要です。
• 栄養補給と健康管理：ビタミンやミネラルが豊富な餌（和香のアクアウーパーなど）を与え、栄養バランスを整えることで再生能力がサポートされます。定期的な観察を行い、傷の治り具合や新たな異常が見られた場合は、早急に対策を講じるようにしましょう。
• ストレスの軽減：傷ついた個体はストレスを感じやすいため、隠れ家や障害物を配置して落ち着ける環境を整え、他の個体との過度な接触を避けるようにしてください。

その他のポイントと注意点

水質管理

• pH：6.5〜8.0が適正ですが、理想的には7.0〜7.6の間で安定させると良いです。急激なpH変動はストレスの原因になるため、注意しましょう。
• アンモニア：アンモニアは非常に有害であるため、常に1mg/L以下が理想です。検出される場合は、ろ過システムの見直しや水替えを行ってください。
• 亜硝酸塩：亜硝酸塩も有毒な物質ですので、1mg/L以下が理想です。もし微量でも検出された場合は、急ぎ対策を行う必要があります。
• 硝酸塩：硝酸塩はある程度蓄積してもすぐに中毒を引き起こすことは少ないですが、0〜20 mg/Lを目安に管理し、20 mg/Lを超えた場合は定期的な水替えを実施してください。長期間高濃度が続くと健康に影響を及ぼす恐れがあります。